
新宿区新大久保に弁護士事務所がある、相続で悩み苦しまされている方のサポートを行っている、弁護士の水谷真実です(→プロフィールはこちらです)。
法定相続情報一覧図とは?
法務局(役所)に認証してもらう「公的な家系図」のことです。これがあると、戸籍謄本の束を持ち歩かなくても、この紙1枚で銀行などの手続きができる便利なものです。
「便利なら作ってよ!」と思われるかもしれませんが、今回のケースでは「数次相続」という事情があり、通常のように1枚にまとめることができないです。
法定相続情報一覧図は、「亡くなった人(被相続人)1人につき1枚」が原則なのです。
- 「お父さんが亡くなった時の相続関係図」は作れます。
- しかし、そこには「お母さん」も相続人として載ります。
- その後「お母さんが亡くなった事実」や「お母さんの相続人が誰か」という情報は、お父さんの図面には混ぜて書けないのです。
父と母が続けて亡くなった場合、相続は1回ではなく2回発生します。
そのため、法定相続情報一覧図も2通作成する必要があります。
数次相続(例:父が亡くなり、その後に母も亡くなった)の場合、以下のように分けて作成します。
1枚目: 「父」を被相続人とする一覧図

2枚目: 「母」を被相続人とする一覧図

これら2枚(またはそれ以上)をセットで提出することで、最終的な相続人が誰であるかを証明することになります。
1通目は「父の相続」、2通目は「母の相続」を証明する書類になります。
ここが重要!
法定相続情報一覧図は、「ある一人の被相続人が亡くなった時点」のものしか作成できません。
なぜ作れない?「数次相続」の壁
数次相続(すうじそうぞく)とは?
相続手続きが終わらないうちに、次の相続が発生してしまうことです。
(父の相続手続き中に…)
結果:父の財産を、母の相続人(子供など)が引き継ぐ
2024年4月から相続登記が義務化されました。
不動産がある場合ですが、相続を知った日から 3年以内 に不動産の登記しないと10万円以下の過料の対象となる可能性があります。数次相続を放置しておくと、過料(ペナルティ)となる場合があります。
また、さらに次の相続が重なって、大変な状況となるおそれがあります。
法定相続情報一覧図の限界
数次相続で法定相続情報一覧図を作るメリット
数次相続は、とにかく戸籍謄本などの量が多くなります。
法定相続情報一覧図を作っておけば、各窓口で沢山の戸籍謄本を出し入れしたり、担当者が延々と読み解くのを待ったりする必要がなくなります。

自分で相続関係図を作成する(相続関係説明図)
自分で相続関係図を作成する場合は、全員を記載できます。
相続手続きのために銀行などに提出する、家系図のような書類です。
誰が亡くなって、誰が相続人になるのかを一目でわかるように図式化したものです。
相続関係説明図に書く各相続人の住所はどう確認する?
説明図に記載されている各相続人の住所は、自己申告ではなく、公的な裏付けを取っています。
「戸籍附票(こせきふひょう)」という書類をご存知でしょうか?
・戸籍附票とは: その人の住所の履歴が記録されている公的な証明書
・本籍地の役所で取得できます
相続関係説明図は、法務局の認証がない自作書類です
ただし、これはあくまで自作書類であり、法務局の認証がありません。
そのため、窓口によっては戸籍謄本の原本提示を改めて求められることもあります
相続関係説明図との違い・使い分け
| 法定相続情報一覧図 | 相続関係説明図 | |
| 作成者 | 自分で作成して法務局が認証 | 自分で作成 |
| 数次相続を1枚で | ❌ 不可(複数枚必要) | ✅ 可能 |
| 銀行窓口での扱い | 原則これ1枚でOK | 追加書類が通常必要 |
| 費用 | 無料(取得は無料) | 無料 |
最後に

数次相続になると、書類の意味が分かりにくくなります。
“なぜ1枚で足りないの?”という疑問は、とても自然です。
亡くなった方の順番ごとに整理していくことが大切になってきます。
戸籍を集めても整理がつかない、銀行で止まった、そんなときは無理に進めず、一度整理してから進めましょう。遠回りに見えても、その方が結果的に早く終わります。
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