相続の手続が済まないまま暮らしてきた自宅について、将来に備えて権利関係を整理したいとのご相談を受けました。複数の相続人の意向を調停で確認し、ご依頼者の方が自宅を単独で取得する内容で約6か月ほどで調停が成立した事例です。
依頼に至る経緯
ご依頼者の方は、長く暮らしている自宅の相続について、ご相談にいらっしゃいました。自宅は亡くなったご家族の名義のままで、相続人には、普段ほとんど交流のない親族も含まれていました。
日々の暮らしは続けられていても、自宅の権利関係が整理されていないことは、将来を考えるうえで気がかりでした。「自分で対応できるうちに、自宅を単独で所有する形に整えておきたい」というのが、ご依頼者の方のご希望でした。
そこで、そのご意向を踏まえ、できるだけ時間をかけずに相続の問題を解決することを目指しました。
弁護活動
個別の交渉を重ねるより、調停で話し合う方針に
相続人が複数いる場合、一人ずつ連絡を取り、それぞれの希望を確認して調整するには、時間がかかることがあります。
今回は、ご依頼者の方のご事情や、相続人同士の交流の状況を踏まえ、早い段階で家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。
調停は、調停委員を介して、それぞれの考えを確認しながら合意を目指す手続です。直接のやり取りでは進めにくい場合にも、話し合いの場を整える方法の一つになります。
相続人の意向を確認し、金額の根拠を示す
調停では、まず各相続人の意向を確認しました。
相続人が多い場合でも、全員が同じ希望を持っているとは限りません。まずは誰が何を希望しているのかを確認することが、話し合いを進めていくために必要です。
相続人の中には、ご依頼者の方による自宅の取得に協力する意向を示した方もおりました。相続分の放棄、相続分の譲渡の意向を示される方達がいらっしゃいました。
この過程で、話し合うべき点を整理していくことができました。
相続人の中には、金銭による調整を必要とする相続人がいらっしゃいました。そこで、ご依頼者の方が自宅を取得する代わりに「代償金」を支払う案を提示しました。
代償金は、不動産そのものを分けることが難しいときに、取得する人とほかの相続人との間を金銭で調整する方法です。自宅を手放さずに相続をまとめたい場合の選択肢になります。
提示する金額に加えて、その算定根拠も説明しました。
解決
最終的に、提示した代償金の額についてご納得をいただきました。
そして、ご依頼者の方が自宅を単独で取得する内容で調停が成立しました。手続は長期化することなく終了し、ご依頼者の方も、早期に区切りがついたことを喜んでおられました。
各相続人の意向を確かめ、協力が得られる部分と、金銭で調整する部分を整理することが解決につながりました。

依頼してから約6か月で解決しました。思っていたよりずっと早く話がまとまり、よかったです!

早く解決が良かったです。まだ、所有権の移転の登記とかあります。司法書士さんに相談しながら最後まで行ってください。
※プライバシー保護のため、人物関係や時期など、事案の一部を省略・抽象化しています。
